洗剤の知識

1.洗浄の基本・洗浄の目的

何故洗浄を行わなければならないのでしょうか?

酪農家から出荷される牛乳(生乳)は他の農畜産物と比べても特に栄養価が高いために腐敗しやすいものです。「安心・安全」でおいしい牛乳を消費者に届けることが答えではないでしょうか。昔は、長い時間をかけた長距離輸送には不向きでした。このため、牛乳(生乳)の生産地と消費地とは互いに近接した地域となっていました。

しかし、1965年代からの冷蔵施設や輸送手段を中心とした技術革新によって生乳の広域流通を実現しました。北海道では、1997年に系統及び生乳生産に関わる指導関係機関・ディーラーによって、酪農家の生産した牛乳(生乳)の生菌数を削減し、品質向上を目的とした乳質改善運動が行われ、現在に至るまで一つの大きな成果を上げております。

今年5月からは、ポジティブリスト制度が施行されます。この制度は、基準が設定されていない農薬、動物用医薬品および飼料添加物が一定量を超えて残留する食品の流通を原則として禁止する制度です。危害混入を防止する措置ということで、ミルカー・バルククーラーの洗浄剤・殺菌剤については次のように表記されています。

「洗浄剤については、省令等による使用基準の規定はないが、商品ごとに定められた使用方法(温度・使用濃度)の遵守およびすすぎをしっかり行うことにより、洗浄剤等の出荷生乳への混入を防ぐ。」

消費者は、安心・安全な牛乳を求めています。今までのように、白ければ売れるというのは遠い昔のことです。最近は、小学生が酪農家に見学に行くと、一部の子供たちは「牛舎の臭いやふん尿による汚れを見て牛乳が飲めなくなる。」と言う話を聞くことがあります。

また、北海道の場合、道外から旅行で来られた方が道端にレンタカーを止め、興味本位で牛舎内を覗かれることがあります。自分が飲んでいる牛乳は、どんな所でどんな風に扱われているのかと・・・。

牛舎・生乳処理室は衛生管理の行き届いた食品加工工場と同じです。酪農家自身も、最高の食品を届けているという意識をさらに高く持つ必要があるのではないでしょうか。

今年度から生産抑制が始まります。今まで以上に良質乳生産への取組みをしていかなければならないでしょう。生菌数の少ない衛生的な牛乳の広域流通は、消費の拡大と健康増進に大いに寄与してきました。

洗剤の品質向上と洗浄技術の向上、さらに製造技術の改良で低温殺菌乳など商品価値の高い牛乳として販売することができます。それが国内での牛乳の需要拡大、マーケットの拡大へとつながるのです。

次回は「一般的な洗浄方式」を紹介します。


出典:全酪新報2006年6月1日号掲載「洗剤だより」